ことばの記憶と嫌悪感

 

幼い頃の記憶には
母から言われたある“ことば”がある
それを思い出すと母に対する“嫌悪感”も感じる

それは、彼女が私を叱るとき
いや、感情にまかせて怒るときに
よく使っていた“ことば”だ 

今、幼い自分の子に向かって
全く同じ“ことば”をぶつけてしまう時がある
言いたくないのに言ってしまう

後に残るのはやっぱり“嫌悪感
判っているのに・・・

叱っている内に
堰を切った様に止まらなくなって
最後にこの“ことば”が出てきてしまう

怒


やめたいんです

自分を止めたいんです
でも止められない・・・

このままだと
私は自分の事を嫌いになり
子どもをも傷つけてしまう
そんな気がするのです

 

お腹に残る記憶 

 

「お母さんがその“ことば”を言った場面で
一番良く覚えているのはどんな時ですか?」

いつ頃・・・小学校4年生頃の夏
どこで・・・電車の中
周囲は・・・すいていて二人で座っていた
聞こえる音は・・・電車の走る音
温度は・・・そんなに暑くはない、扇風機が回っていたかも
見えるのは・・・向こう側の窓の外、自分の足下、広告など


小学校4年生に戻った様に
どんどん当時の記憶が蘇って
不思議な気分


あの駅にさしかかった時だった
母が私をとがめる口調で
あの“ことば”を言った



「どんな感じ?」
そう聞かれて自然に手がお腹をさすっていた

腹痛
促されて、その手の奥に何があるのかを感じてみた

それは、決して心地の良いモノではなかった
吐き出してしまいたかった

「では、吐き出してしまいましょうか」
戸惑いながらも吐き出した

両手のひらにあるはずのないモノがある
薄汚れた泥水のような色をしている
ベトッとしたもの

まだお腹に残っているモノがある
また吐き出してみた
今度は血液を薄めた様な色をした
さっきより見た目は良いモノだった

 

目の前に人がいる事をすっかり忘れていた
彼女が水を飲んだので
私もコップに手を伸ばした

不思議だった
来た時に飲んだのと同じお茶なのに
違う味がした

 

繰り返してしまう心理

 

繰り返してしまうこころの奥底には
お母さんからの“ことば”によりうまれた
行き場のない思いが、消化されず
オリの様に溜まっていたのだと思います

言い返したかったけれど
お母さんを傷つけたくなくて
飲み込んでいたのかも知れませんね

理不尽だと子どもながらに感じていても
それを口に出してはいけないとも悟っていた

きっとあなたは賢くて優しい子だったのでしょうね

 

オリがこれで100%取り除けたとは言い切れません
また、繰り返してしまう事もあるかも知れません

その時にはお腹に手をあててみて下さい
そうしたら、きっと、今日の事を思い出します
また、その時に吐き出せるモノが
あったら吐き出しましょう

その内に、きっと繰り返す事はなくなりますよ