熊家政婦のカナさんが整体師さんを
紹介してくれると言う。
「内的な病に整体」がどの様な効果があるのか、
当時の私には判らなかったが、
「とにかく一度受けてみなよ」と、
自分の予約を私に譲ってくれると言う。

ここは姉御のおっしゃるとおりにしようと、
大人しく彼女の車の助手席に乗り、
走ること30分ほどで到着した。

整体という言葉のイメージから、
ちょっと汚い「治療院」に
熊のような「整体師」を想像していた。
ところが、ブルーを基調とした
小洒落たインテリアの部屋は
「サロン」という雰囲気だった。
出迎えてくれた方も、「エステティシャン」的な、
全く熊っぽくない・・・華奢で繊細そうな青年だった。

素肌にワイシャツをまとい、
ちょっと焼けたつるっとした肌を見せているが、
いやらしい感じはみじんもない、
文字通り「さわやか」な貴公子。

 

 

『カナさんの助手席に座るか座らないかで、
だいぶ運命が変わったよね。
子供の頃のトラウマで裏切られるのが怖くて、
他人をあまり信用できない癖のある
キミにとっては、勇気のある決断だったね。

本当に、カナさんはキミのそういう
闇の部分をぶっ壊しに来てくれたんだね。

自分自身が何も出来なくて苦しい今だからこそ、
そのキミの前に立ち止まってくれる人との
縁を大切にするといい。

調子が良くて目立って元気な人の所へは、
放っておいても、人は大勢集まってくる。
でも、それは、大抵その人自身の持っている
“何か”を目的としている。

でも、具合が悪くて役に立ちそうにない
人間の所へ来てくれる人は、
大抵何かを企んではいないものだよ。
死にそうな年寄りに財産目的で群がる輩以外はね。』

 

今、カナさんの危なっかしい運転に
ヒヤヒヤしながら、ちょっとだけ、
このままどこかヤバイ所へ連れて行かれたりして・・・
と思った記憶が、よみがえってきたなぁ・・・。
ごめんね、カナさん。

そうして、連れて行かれた先には
さわやかスマイルの貴公子が待っていて、
ちょっとだけ拍子抜けしたっけ。

その日、カナさんは私の施術が終わるのを
待っていてくれて、家まで送ってくれた。
なんて、優しい・・・。

そんでもって、貴公子と話す時に、
ちょこっと“女”っぽくなるカナさんを、
かわいいなって思ったわ。

意外だわ~あ~ゆ~のが好みなんだねぇ・・・♡
うふ、うふふふふ・・・

 

to be continued…

Sakuko

 

 

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